第2章 為虎添翼ー1日目ー
私より身長低い2人だけど!
高校生2人なんて受け止められない…!
あ、これはある程度の衝撃を覚悟するしか…
迫ってくる2人の速さに避け切れるはずもなく、私は衝撃を覚悟してギュッと目を瞑った。
ーーしかし、来るだろうと思っていた衝撃はこなくて、ゆっくり目を開けると…
夕君は力君に首根っこを捕まれ、翔陽君はいつの間にか私の前に来ていた飛雄君によって確保されていた。
「京香さん大丈夫ですか!」
「西谷も日向も!嬉しいのはわかるが、女性に飛び付いて怪我させたらどうするんだ」
「「す、すいません…」」
「だ、大丈夫!力君と飛雄君ありがとう助かった。みんなも心配してくれてありがとね」
心配そうな表情で駆け寄ってきたのは孝支君と大地君。
私の心配をする孝支君はお母さん、叱っている大地君はお父さんみたいだ。
後ろでオロオロしている旭君たちにも安心させるように微笑んだ。
「そういえば影山、なんで京香さんと一緒なんだよ!」
「あ?迎えに行ったからに決まってんだろ」
ふふん、と自慢気な飛雄君。
孝支君に対して敵対心でも抱いているのか、ジッと見つめている。
やはりセッター同士、同じチームと言えどもライバルだからね…
「みなさん全員集まりました?そろそろ時間なので青城へ向かいましょう」
「はい。ほら忘れ物するなよーバスに乗ってけ」
「あ、仁花ちゃん持つよ!」
「いえいえいえいえ!だだだ大丈夫でふっ」
「ふふ…じゃあ半分持たせて?」
「「潔子さぁん!お荷物お持ち」」
「重くないからいい」
重そうに荷物を持っていた仁花ちゃんを見つければ駆け寄って半分持つ。未だに私に緊張してるのか、噛み噛みの仁花ちゃんが可愛くて癒されていると、潔子ちゃんに龍之介君と夕君が冷たくあしらわれていて、仁花ちゃんと顔を見合わせればクスクスと笑った。
みんながバスに乗ったのを確認して、周りを見れば忘れ物がないのも確認した。
「京香さんあちらは大丈夫でした。バスに乗りましょうか」
「はいこっちも大丈夫です!いきましょう」
武田先生に頷いて、私もバスに乗り込む。
さて、どこに座ろうかなと思っていると、名前を呼ばれた。
「さっきアミダで勝ち取ったんで。俺の隣にどうぞ?」
和かに微笑んだ彼の方へ行けば、お邪魔するねと隣に座った。