第6章 緊褌一番ー5日目ー
バスのところには既に烏野部員たちと青城のレギュラー陣も居て。どうやら荷物をバスに積み込むのを手伝ってくれていたらしい。ギスギスした雰囲気もなく、自然と話している彼らを見るとやはり頬が緩む。
合宿終わっちゃったんだな、なんて改めて感じれば寂しさが溢れてくるも、心配かけるわけにはいかないからと笑顔を作った。
「あ、清水たち!荷物積んだら行くべー!」
私たちに気付いてくれた孝支君が手を振ってくれて。龍之介君と夕君が物凄いスピードで潔子ちゃんのところへと向かってきて、荷物を預かろうとするものの相変わらず拒否されて恍惚な表情浮かべてるし。
仁花ちゃんの荷物を持つよと言ったのは翔陽君で。
「あらあら、仁花ちゃんもやるのね」
「ええっ!ち、違いますから!ちょっと、日向待って!」
ビクッとして遠慮している仁花ちゃんから、半ば奪うようにして荷物を持っていった翔陽君の後ろ姿を見て冷やかせば益々赤くなった頬。可愛いとニヤニヤしていれば逃げられてしまった。
「京香さん、荷物積んできます」
「あ、ありがとう。でも自分でやるからいいよ?午前の練習だって大変だったんだから」
「京香ちゃん烏野に行く必要ないでしょ。此処から帰った方が近いんだから」
私の元に来てくれたのは飛雄君で。でも重たくはないしと断っていると、わたしの肩を抱いて飛雄君から少し離れさせたのは、顔を見なくてもわかってしまった。徹君である。
徹君の一言に烏野部員がピキッと固まる。
「確かに、朝俺らと電車一緒だったし。俺と松川で送ってくよ」
「うん、それで良いんでない」
近くに居た貴大君と一静君までもがそう言いだして。
「まあ、京香さんのこと考えるとそうかもしれないけど、ミーティングとかもあるし…な、大地」
「あ、あぁそうだな。京香さんは烏野のコーチだからな」
「帰りのバス、隣俺なんで」
孝支君も大地君も何やら必死になっているようで。ミーティングと言われれば確かにそうだなと納得した。
パシッと私の手を掴んだのは飛雄君で。行きは力君だったけど帰りは飛雄君かーなんて呑気にに考えていたら肩に置かれている手の力が強くなったのを感じて、徹君を振り返った。