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【ハイキュー!!】 勝利の女神様

第6章 緊褌一番ー5日目ー


「でも、それ以上に俺たちひとりひとりを見ててくれて…小さな変化にも気付いてくれる。ちょっと抜けてるところが可愛らしいと言いますか…守ってあげたくなるような、そんな感じなんです」

これもまたストレートに心にくる。飾らない大地君らしい、真っ直ぐな言葉。思わず照れくさくなって顔に熱が集まるのがわかる。

「…もう、いい…です」

あまりの恥ずかしさに搾り出した私の声に、また小さく笑いながら頭に置いている手を動かして優しく撫でる大地君。

チラッと彼を見れば彼自身も照れているようで、頬がほんのり赤く染まっていた。

照れるなら言わなければ良いのに、なんて思ったものの、それを言わせたのは紛れもなく私自身で。

「で、でも妹にしたくないのは何で?」

「あー…それは京香さんが妹なら好きになったり付き合ったり出来ないので…俺は貴女を兄としてではなく、男として守りたいんです」

こんなこと女性に言ったの初めてです、なんて照れ笑いを浮かべている大地君。私だって言われたの初めてです、と小さく呟いた声が聞こえたのか少し驚いているような表情になった。

「何その反応…てか大地君そんな恥ずかしい台詞ポンポンと言わない!」

「いや、京香さんなら既に言われてるかと…え、あ、貴女にだから言うのであって、他の女性にはこんなこと言いませんから俺」

どうやら貴女相手だと自分の気持ちを抑えられないようです。

なんて眉を下げて笑う大地君。何だろう、天然のタラシみたいな。しかし、若利だって天然のタラシなのにこうはドキドキしない。やはり告白されてるって意識があるからなのだろうか。

「大地さーん!」

バタバタと走ってくる音、大声で呼ぶ声に慌てるように私の頭から手を退かした大地君。

「風呂場の掃除終わったっす!あれ、京香さんも一緒なんですね」

「西谷、合宿所でも廊下は走るな。危ないだろ。わかった俺も部屋に戻るよ。じゃあ京香さん、ありがとうございました」

「夕君お疲れ様。あ、うん大地君の探し物見つかって良かった」

食堂に顔を出したのは夕君。大地君は立ち上がって私に軽くお辞儀をすれば、夕君と共に部屋へと戻っていった。

1人残された食堂。一気に先ほどのドキドキを感じれば、コツンと私は机に突っ伏した。
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