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【ハイキュー!!】 勝利の女神様

第5章 共同戦線ー4日目ー


「飛雄!京香ちゃんの隣は俺のなの!」

誰もいない筈の背後からいきなり声を掛けられてビクッとした。そしてその声と共に、隣に居た飛雄君の姿が消えて。

何?!ってキョロキョロとすれば、階段の下に転がっている飛雄君。階段と言えど、3段程しかない為怪我はしていないだろうが、大丈夫かと駆け寄ろうとするも肩に腕が回ってきて立ち上がれない。

「京香ちゃん飛雄と何楽しそうにしてたの…」

隣を見れば、子供のように唇を尖らせて拗ねているような徹君。その表情が可愛らしくて、クスクスと笑ってしまった。

「もう!笑い事じゃないから!マッキーに追いかけられなかったら京香ちゃんと花火出来たのに…」

「まだ終わってないでしょ?ほら、飛雄君が持ってきてくれたのあるし一緒にやろ?」

まだ手元に余っている花火を徹君に差し出せば、忽ち笑顔になって。…段々と私も徹君の扱いに慣れてきたかもしれない。

「それはダメっす!俺が京香さんとやろうと思って…!」

「ふん、京香ちゃんから貰ったもんね!飛雄のケチ!アホ!バーカ!」

「なっ…!」

「ちょ、ちょっと待った2人とも!」

差し出した花火を受け取った徹君から奪い返そうと起き上がった飛雄君。また2人の間で睨み合いが始まってしまった。

今は近くに一君も居ないし、私が何とかしなければと思えば2人の間に割って入る。

「何で仲良く出来ないの。喧嘩するなら他のとこ行くからね!」

「「それはダメ!(っす!)」」

「…あははっ。息ぴったり!」

「マネするなよ飛雄!」

「それは及川さんでしょう!」

私が怒って2人から離れようとすると、同時に引き止めてきたので思わず吹き出した。本人たちは何とも言えないような表情を浮かべているが、似た者同士なのかなと笑いが止まらない。

「京香ちゃん笑い過ぎ」

「ふふ、ごめん。仲良いなって…」

「はぁ?飛雄と俺が?ないない!クソ生意気な後輩ってだけ」

思いっきり嫌な顔をして否定する徹君と、どの辺が仲が良いってことになんだよ、とぶつぶつ考え込んでいる飛雄君。

2人を交互に見ながら、また私はクスクスと笑うのであった。
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