第2章 兄×6は、私に対して反抗期の頃がありました。
「ただいま~…十四松兄さんまだまだ元気だね…」
トド松兄さんが私たちの居る部屋に入ってきた。いつもより顔がげっそりしている気がする。
「どうしたのトド松~?疲れてるね!!」
「あれでしょ、体育の持久走で死んだんでしょ」
「そう~、ほんっと持久走嫌い…てか、一松兄さんも持久走だったじゃん!?なんでそんなに元気なの!?」
「持久走好きだからね。あの息が苦しくなる感じが良い」
「うっわぁ…」
一松兄さんとトド松兄さんは同じクラスだから、一日中一緒に過ごすことになる。ほかにも、おそ松兄さんは十四松兄さんと。カラ松兄さんはチョロ松兄さんと同じクラス。みんな誰かと一緒に授業受けてるのに私だけ…一人。
こうやって兄さんたちが学校であったことを話しているときも、私はどうしていればいいか悩む。
「ねぇねぇ!!トド松も瑠璃と仲良いよね!?」
『ちょっと十四松兄さん…!』
「え?急になに言ってんの?」
ほら、トド松兄さんも困ってる。
「なんか瑠璃が、僕たちに疎外感感じてるんだって」
『そ、そういう意味じゃ…!』
一松兄さんが言ったことに否定するけど、あながち間違ってはいない。
「え~そんなこと?何かと思ったらさ~」
『…』
「仲が良いに決まってるじゃん!!多分兄弟の中で僕が一番瑠璃と仲が良いと思うけど?これには十四松兄さんにも負けないからね!?」
「えーッ!?それはないよトド松!!絶対僕のほうが瑠璃と仲良いもんねー!!」
「え、待って、僕の方が仲良いと思うんだけど」
「「それはないよ一松兄さん!!」」
私と仲が良いかどうかでこんなに盛り上がってくれるのはとても嬉しい。けど、そんなの表面上だけかもしれない。きっと内心ではおそ松兄さんたちと同じかもしれない。
『…ありがとう』
「あれッ、どうしたの瑠璃?全然元気ないね?」
「そうなんだよ~今日の瑠璃ちょっとおかしいんだよね~」
『いつもと同じだって…!』
トド松兄さんと十四松兄さんが私の顔を覗き込んでくる。
「ねぇ瑠璃、もしかして上三人がなんか言ってきた?」
『えっ』