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おそ松さん!松野家長女は6人の兄がいます。

第3章 17:45、あとちょっとでバイトが終わりそうです。




『ねぇねぇ、ご飯って何奢ってくれるの?』


「え〜、秘密ぅ〜」


『…え〜、すっごい楽しみ〜』


おそ松兄さんの返答に少しイラッとしたけどここは我慢。どうせ、また私が折れるだけ…。


「あんま騒ぐんじゃねぇぞ〜?他の弟たちにバレたらさすがのお兄ちゃんも破産しちゃうからね」


『はーい』


騒ぐって、私よりもおそ松兄さんの方が騒いでない?と思ったけど、これも我慢。
鼻歌を歌いながら私の前を歩くおそ松兄さんに着いて歩いていたら、おそ松兄さんがいきなり振り返った。


『なに!?いきなり振り返んないでよ!!びっくりするじゃん!!』


「はぁ〜い!!着きました!!」


『え?』


着きました、と言われた。いや、たしかにお店の前ではある。あるけど。


『…オシャレすぎない?』


おそ松兄さんの着きました、というお店。かなりオシャレだった。オシャレというか、おそ松兄さんとはかけ離れた…バー。


「へっへ〜ん、お兄ちゃんだってバーぐらい知ってるんだからな?」


さっ入ろうぜ〜、なんて言いながら私の腕を掴んでズンズンとその店へ向かって行く。

おそ松兄さんが知ってる店なんて、居酒屋ぐらいだと思ってたのに…。おじさんしか行かないような居酒屋。それか、どうせチビ太のとこだろうと思ってたのに…。まさか、こんなに大人の雰囲気ぷんぷんしたところに連れて行ってもらえるとは…。


『ちょ、おそ松兄さん!!このお店行ったことあるの!?』


「ん?常連だけど?」


『常連!?』


「入ってみたらわかるって〜。ほらほら行くよ瑠璃ちゃーん」


ルンルンルーンなんて言いながら、おそ松兄さんは私を無理やりそのオシャレのバーに連れ込んだ。


「おっそ松でーす!!」


「あらいらっしゃ〜い!おそ松ちゃん久しぶりねぇ!!あら?もしかして彼女ちゃん!?」


「そー!…って言いたいんだけどぉ、この前言った妹!!」


「あらそーだったの!?あんまりにも可愛いから彼女ちゃんだと思ったわ!!」


「ちょっとそれどういう意味!?俺は可愛くねぇの!?」


…いやいやおそ松兄さん。常連ってことはわかった。わかったけど。


『こ、ここは…?』


「じゃーん!!オカマバーでーす!!」


………。


『いやいやいやいや!!!』


「いらっしゃ〜い妹ちゃん!!」

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