第9章 以心伝心
「もう、智くんったら」
可愛過ぎる。
今この場に誰も居なくて俺1人だったのなら、絶対身悶えていると思う。
俺の隣でニコニコと笑ってくれる智くんは、どうしようもないぐらい可愛くて、大好きで。
2人きりになると自分が抑えられない。
「帰ろっか、智くん」
出来れば手を繋いで帰りたいところだけど、流石に周りの目があるし無理かな。
「うん、帰ろ?翔くん」
そう言って左手を差し出す智くんって、ひょっとしてエスパーなのかな。
俺のことを、俺以上に知り尽くしている気がする。
「そうだね」
その手を繋ぎ、楽屋をあとにする。