第1章 キスの味
そのまま舌を侵入させようと、ツンツンと入口を突くと…。
「…ん」
オズオズとゆっくりだが、ちゃんと俺を受け入れてくれた。
緊張しているのか、和の身体が一瞬強張った。
それを分からせまいと必死に隠している。
本当…遠慮し過ぎなんだよ。
「ふっ…ぁ…や…」
和の緊張を解して行くかのように、舌を絡めると弄ぶ。
「ん、可愛いな」
一旦唇を離し、頬を朱に染めた和を眺める。
可愛いとしか言いようがない。
俺ってマジで和のこと好きなんだな。
「潤くん、もっと…」
物欲しそうに見つめる和に欲情してすぐにでもキスしてしまいそうな衝動を抑え、告げる。
「じゃ、和からして?」
今まで1度たりとも和からキスして貰ったことがない。
それは俺の中に不安の塊となってのさばっている。
和は俺のことを本気で好きじゃないんじゃねぇか、と。
その不安を和の手で拭って欲しい。
俺のエゴだって言うかもしれないけど、それが解決する1番の方法だと思うから。