第8章 LOVEの味

「和…大好き」


和の手を絡め、吐息のかかる位置まで近づく。


「近いって…バカ」


「だって和の顔をよくみたいから」


それに和の “ バカ ” は “ 大好き ” と同じ意味だから。


「全部見せてよ」


嬉しい顔も、悲しい顔も、恥ずかしがってる顔も。


全部全部…俺に見せて？


「バーカ、んっ…」


「和の唇、美味しそうだったからつい。

我慢出来ずにキスしちゃった」


ペロッと舌を出す雅紀。


「…ズルいよ、お前は」


そんな嬉しそうな顔されたら怒れねぇじゃん。


「うん、それも和限定だけどね」


「知ってる」


お前が俺にだけ甘いのも。


「和の唇ってホントに美味しそう。

ね、もっと食べて良い？」


「いちいち聞くなよ、そんなこと」


さっき拒否らない、好きにして良いって言ったばっかなのにな。