第8章 LOVEの味
「だって拒否られたりしたら俺死んじゃうもん。
絶対立ち直れない…」
その場面を想像してか、シュンとしている雅紀。
ホント…見てて飽きないヤツだな。
「雅紀からなら拒否らないって、何度言えば分かるの?
っていうか俺が拒否ったことある?」
「んー、ある」
「…あれだって本気で嫌がってる訳じゃねぇから」
気まずそうにポツポツと呟く。
「雅紀…」
「んー?どうかした?」
「この手離してくれたらしても良いよ。
雅紀のしたいこと」
今日くらい雅紀の好きにさせても良いかもしれない。
「ホント?じゃあ離す」
雅紀の顔がパッと輝く。
この笑顔を見るのは堪らなく好きだ。
本人には絶対言ってやらないけど。