第1章 キスの味
「っ…ん…」
和は俺の胸を押してなんとか離そうとしてるけど、力が弱くてビクともしない。
ほんの少しだけ空いた隙間に舌をねじ込む。
「ん"っ…やめ…ん」
ドンッと思い切り突き飛ばされた。
「あ、はぁ…」
俺から距離を置き呼吸を整える和。
「そんなに満足出来ませんでした?
俺とする普通のキスは」
ジト…と冷たい目で睨まれる。
「ごめん、ついカッとなっちゃって…」
我に返ると本当に申し訳なく思えて来る。
「無理矢理とかマジ最低だよな…ごめん」
「こっちこそごめんなさい、少し言い過ぎました」
互いにシュンとなり謝る。
「…潤くんとキスすると、我慢出来なくなっちゃうからやなんですよ。
キスすると、どんどん好きになっちゃうし…」
目線を逸らしながら気まずそうに言う和。
「そーゆー可愛いこと言うの反則だろ」
こっちこそ我慢出来なくなるだろ。