第1章 キスの味
「潤くんってテレビじゃないと尖ってないんですね。
まぁ分かってたことなんですけど」
クスクスと笑われる。
「それで?何して欲しいんです?」
「して欲しい、んじゃなくてするからな」
「あ、S部分出ちゃいましたか」
「黙れよ」
「んっ…」
和の口を強引に塞ぐ。
舌を侵入させようと入口をツンツンと突くが…。
「口開けよ」
硬く口を閉ざしている。
一旦唇を離し、告げる。
「やです」
プイッと顔を逸らされる。
「なんでだよ」
意味分かんねぇ。
「…言いたくありません」
触れるキスまではするものの、それ以上は頑なに拒み続ける和。
今まで1度も触れるキス以上はしたことがない。
「どうしてもか?」
耳元で低く囁く。
「っ…どうしてもです」
ビクリと肩を震わせる和。
「ふーん…」
面白くない。
「んぅっ…」
イラついて嚙みつくようなキスをする。
和の頬を掴んでいるから当然避けることは出来ない。