第6章 思惑の味
んふふ、実はその言葉を待ってたんだー。
と、内心黒い笑みを浮かべる。
「こーゆーことだよ、和っ」
「は?うぉ…」
無防備になっていた和に抱き着き、そのまま後ろに押し倒す。
「ちょっ…」
「大きな声出しちゃダメ。
煩いとその口塞いじゃうよ?」
人差し指を和の薄く柔らかい唇に当てる。
「こういうことじゃないと和には勝てないから」
いくら俺でも負けっぱなしはやだ。
「お、俺本番前にトイレ行って来よーっと…」
「あ、お、俺も行く」
「ん、俺もそうすっかな」
他の3人も気を利かせて2人きりにしてくれる。
「あ、ちょ、行かなっ…」
「残念。
もう皆行っちゃったよ?」
和の顔を見てニッコリ笑う。
「…それで?何がしたいんです?あなたは」
ジト、という目を向ける和。
「和とイチャイチャ」
「(いつ誰が来るか分からない)ここで?」
不満そうな目で見上げる。