第5章 嫉妬の味
「雅紀…変なこと言ってごめんね。
忘れてくれる?」
「別に変なことじゃないし、忘れないよ。
嫉妬してる翔ちゃんなんてレアだしね!
それに翔ちゃん嘘下手だね」
ニカッと無邪気に笑った。
「それ、なんで分かんの?
毎回毎回見抜かれるし」
「えー、内緒!」
しばらくは俺だけが知ってる翔ちゃんの秘密にしておきたい。
「ふっ…生意気」
翔ちゃんの顔が近づいて来て…。
チュッ。
唇が重なった。
「嫉妬しちゃったお詫び。
てか、目ぐらい瞑りなよ」
「ムチャ言わないでよ!
翔ちゃんってば急なんだもん。
それにお詫びって言うならもっとして?」
「言ったね?」
「うん、言ったよ」
「じゃあお望み通り…」
今度はちゃんと目を瞑る。