第5章 嫉妬の味
「雅紀…笑ったり呆れたりしない?」
「勿論!」
「俺、嵐に嫉妬してた」
「へ?嵐に?」
なんで嵐?
予想してなかった言葉にマヌケな声が漏れた。
我ながら酷い顔。
目と口の両方が開いてしまっている。
「だって雅紀ってば口を開くと嵐嵐って…。
流石に妬くよ、俺だって。
雑誌見てもテレビ見ても嵐。
そりゃ俺だって嵐が好きだけど…。
俺だけを見て欲しい時だってあるんだよ?」
離れた位置から目を合わせてくれた。
「何言ってるの?
俺はいつだって翔ちゃんだけを見てるよ。
浮気してないもん」
翔ちゃんの隣に腰を下ろし、ちゃんと告げる。
「ふはっ、そうだね」
ようやく笑顔になった翔ちゃん。
「うんうん」
やっぱり翔ちゃんの笑顔が好き。
他の顔もカッコ良くて好きだけど笑顔が1番!
それを見てるとこっちまで笑顔になる。