第1章 キスの味
「ありがと、潤くん」
ゲーム機を受け取るなりゲームを再開させるニノ。
クルリと身体の向きを変え俺に背を向ける形になる。
ちょっと寂しい。
背を向けたままいわゆる体育座りでゲームにのめり込む。
またもや1人になる。
でもゲームをやってるニノの邪魔はしたくない。
やることがなく携帯を見たり音楽を聞いたりするが、ニノに触れたい気は全く紛れない。
むしろ強まって行く一方。
時間が経つに連れニノの体制も変わって来る。
体育座りからあぐらへ、あぐらから正座し、またあぐらへ。
邪魔しない程度になら良いかな。
邪魔しないようギュッと後ろからニノを抱きしめる。
「もう少し待っててくださいね」
肌に感じるニノの体温と着ている服の柔らかさ。
ウエスト細いな…。
ニノのウエストの細さに驚きつつも、離れて行かないようにしっかりと抱きしめる。
首筋に顔を埋め、直接ニノに触れる。
「潤くん、くすぐったい」
くすぐったさに身をよじるニノ。