第6章 おつかい (裏:三成、光秀)
(こんな顔…見たことない…)
「光秀…さん…」
襟元を押さえていた手を光秀の頬に添えると
光秀はゆっくり目を閉じその手に自分の手を重ねた
「…お前は温かいな」
(光秀さんが、冷たいんですよ…)
そう返そうとしたが言葉は出なかった
(この人は…普段まったく感情を出さないで…人をからかって遊ぶのに…どうして?そんなに…)
「…何を思い詰めてるんですか…」
光秀は、湖の言葉に目を開け
「…そんな顔をしていたか?」
目を細めいつもの読めない笑みを見せた
(また…隠す…)
「…どうして」
光秀の指が湖の唇に軽く押し当てられる
それ以上、踏み込むなと言うように
「じゃあ…今だけでも…温まってください」
自然とそれは口に出た
光秀は、目を開き沈黙した
(今…この人を放ってはいけない…)
「それは、どういう意味か理解できているのか?」
(好き?そうではない…まだ解らない…けど、この人を今夜は一人にしたくない)
湖は無言で光秀を見つめていると
「…物好きな…だが…」
光秀は一度目を伏せ、湖の首に顔を埋めるようにすると続けた
「今宵は甘えるとしよう…」
湖の香を確認するように、首に唇を押し当てる
冷たい手が、襟元にかかると湖は体を一瞬強張らせた
光秀はいつになく優しい所作で、湖を褥へ押し倒すと寝衣の腰ひもを解き、襟元を少し開く
開けば、そこからは謙信につけられた蚯蚓腫れの傷と、青痣が見えた
その痣に口づけを落とす
何度も労わる様に
湖が、子供の頭を撫でるように光秀の髪に指を通せば
「ずいぶん、余裕だな…」
顔を上げないまま、痣部分を舌で舐める
そして寝衣を広く広げ、顔を上げれば湖の上でにやりと笑って見せた
「…今夜だけです」
湖は、少し淋しげに微笑んで見せた
光秀は無言のまま、再び首元に顔を寄せそのまま下にと降りていく
(これは…良くないことだ…でも、温めたいと思う…)
片手が胸にたどり着いたとき、湖の吐息が甘くなってくる
「んっ」
もう片方の乳房を下から舐め、その頂を
ちゅぅ、っちゅ
優しく吸い舐める
「…ぁ…んん」
むずむずとした感覚が湖を襲ってくる
「…お前は…甘い…」