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【イケメン戦国】私と猫と

第25章 桜の咲く頃  二幕(六歳)


「ちんちくりんの、あばずれ、ぶすっていわれて、びっくりした」
「はだかのおんなのひとのえ、だして、びじんっていうのはこうゆうのだって」
「湖みたいのが、しろをうろつくなっていっておこってた」


事情を聞いた彼らは湖が起きているのを確認し、白粉と湖の部屋にやってきた
部屋に謙信、信玄、幸村、佐助、それに光秀に秀吉、兼続だ
武将の彼らがこんなに集まれば狭くはない部屋が、窮屈に感じる
場所を移動し広間へ行けば、湖が理由を話し出した

湖の紡ぐ言葉を聞き取り、並べていけば大体の事情はわかった

ようは、見知らぬ男児に罵倒されて驚いたのだと
そして、その子が…

「ごめんね、かねつぐのなまえをいってたから…かねつぐのせいだって…いったの。ごめんね、かねつぐ。やなこといって…」

兼続は開いた口がふさがらない様子だ

「ってゆーか…誰だよ、そいつ」
「…うちの妹に何を言ってくれるんだろうね…その子は…」

幸村と佐助は話を聞き眉をひそめる

「湖、経緯はわかったが、話を真に受けるな。お前のどこが美人じゃ無いのか、そいつに言い聞かせてやる」
「秀吉、子どもが相手だぞ」
「いーや。子どもとはいえ、女への対応は男の必須だ。一度、言い聞かせる必要があるな…」

秀吉は大まじめだ
その横で光秀がため息交じりで返事をしている

(しかし…こいつを、いじめてからかうのは面白く無いな…)

「名前は言っていなかったのか?」
「ううん。でも、湖のせいで、かねつぐがあそんでくれない?んっと…かまってくれない?っていってた」
「某が…?湖様より大きい男児…」
「なんだ。心当たりはないのか?」

信玄が尋ねるが兼続は眉間の皺が寄るばかり

謙信に名を呼ばれれば、「居るには居るのですが…そのような事をいう子では…」と返答を濁した

「湖、どうしてほしい?」
「どうして?なにを?けんしんさま」
「…その男児、どう処分してくれようか…」
「…?しょぶん…?え?おせっきょうってこと?」

首を傾げた湖だったが、なんとなくそれを察すると慌てだした

「いいよっ、急だったからびっくりしただけだもん。それに…」

口を噤む湖に信玄が様子を伺えば…

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