第6章 おつかい (裏:三成、光秀)
三成の頬に手を添え、目を合わせると続けて伝えた
「だ、だいじょうぶっ!怖かったけど、すぐに三成くんたちが来てくれたからっだから連れて行かれずにすんだよ!来てくれたから、私ここに居れるよっ」
グイッと、その頭を抱えるように手を回し
「三成くんたちが探してくれたから、私…もう怖くないんだよ」
ぎゅうと、抱きしめれば三成の湧き上がる怒りを抑えるように湖の香りに包まれる
「ありがとう、三成くん」
その優しさと温かさに包まれ、三成はそっと湖の背に手をまわした
「…ありがとうございます、湖様…」
その答えに、湖はほっとした
(あんな三成くん…見たくない…私はいつも穏やかな三成くんがいいよ…)
少し腕を解くと、三成はいつものように穏やかな優しい笑みを浮かべていた
(やっぱり…こっちの三成くんが好き…)
「…湖様…」
「…ん」
にこにこ三成を見返すと、三成の顔がいつの間にかまじかで流れるような所作に目を奪われるうちに
唇が重なった
「っ…」
軽く触れるように
ちゅぅ
小さな音を立てて、唇が離れると湖は目を開いたまま真っ赤な顔で止まっている
「…やはり湖様は、可愛らしいです」
「え、、あ…あの…」
三成は、湖の寝衣をしっかり合わせると優しくその体を抱きしめる
「…今度、一緒に遠出いたしましょう。城下にも…遠慮なさらず、好きな所を見られるよう時間を作りましょう」
「…あ、う、うん」
まだ赤いままの湖は、言われるがままに頷いてしまう
「私は、湖様のことをもっと知りたくなりました」
「…うん」
おずおずと、三成の背中に手を回すと三成がぽつりと呟く
「湖様は、温かかいです…」
月明かりに照らされる部屋での出来事だった