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【イケメン戦国】私と猫と

第6章 おつかい (裏:三成、光秀)


「きゃぁ…」

三成の手が湖の左足首をとらえていることで、右足しかひっこめることはできなかったが、湖は極力小さくなり身を隠した

「み、三成くん、どうして教えてくれなかったのっ」

涙ぐんだ顔も今でははっきり見える

「もう少しで終わりますので、許してください」

まずは、怪我の有無を確かめねばとそのまま触診を続けると左足内太ももに擦り傷を見つけた

「ここに一か所、擦り傷がありますね…」
「も、もういいよっ」
「良くはありません。傷が残っては大変です」

左足を自由にすると、右足首を掴み決して強引にせず優しく足を引く
湖は強張るものの、自由になった左足を縮こませ右足は三成に預けた

「こちらは、大丈夫です。新たに見つけたのは、左足のみでした」

一度立ち上がり、湖の枕元にあった塗り薬を持ってくる

「湖様、左足を出してください」
「いい、いいよっ、自分でするからっ」

裸の湖は、三成と距離を取ろうとするがそうは動けない

「…では、こちらを」

置いてあった寝衣をそっと湖にかけると、湖は安心したのか足を差し出した

「家康様の薬は、よく効きます。すぐに跡は消えるでしょう…」

薬を指に取り、薄く傷に塗る
ピクリと、反応を見せた湖から返事はない
顔を抱えた足に埋め耐えているようだった
三成は、そのまま其処へ顔を近づけ口づけを落とすと

「っひゃ・・ん」

湖は顔を上げ、三成を見ると彼の頭は自分の太ももにあり急ぎ逃げようとする

「み、三成くんっ」

逃げた足の足首をパシッと掴むと、真剣な眼差しで湖を見つめ

「…なぜかわかりませんが…」

少し間を空け、先ほどの傷部分を見ると

「無性に腹の底が熱くなります…なんでしょうか…これは…怒り?」

本人も困惑しているように言った

「三成くん?」
「湖様に傷を残され…私は…怒っています…」
「っ…」

初めて見る表情に、湖はごくりと唾を飲んだ

(上杉 謙信…会うことがあれば…)

言葉には出さないが、三成が何かを心の中で叫んでいるように見えて

「っ三成くん!」

冷たい眼差しに湖はたまらず声をかけた

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