第6章 おつかい (裏:三成、光秀)
三成の手は、本当に見えていないのかと思うくらい確実に湖の手首を優しく握り持ち上げ触診していく
「ほっ本当に見えてないの?!」
「人影くらいしか見えていませんよ」
三成の返事は、自分の心音にかき消されるようだった
三成は、慎重に手を這わせ腕付け根に作ると、元の位置へ手を戻してやり反対の手首を持ち上げる
その際、湖がわずかに反応したのに気付いた
「…ここは?」
手首は、謙信に握られたところ
「そこは、手をつかまれたから…たぶん、痣になってると思う」
信長が言っていたことを三成は思い出していた
「痛いですか?」
「少しね、でも赤いだけだからすぐに消えるって家康が言ってたよ」
家康様が、そう言うのなら手首に跡が残ることはないのだろう
三成は、そう考え手首から上に手を這わす
そして、「失礼します」と両腕を胸からそっとはずすと湖の手は三成の袖を握りしめた
くすりと、気づかれないような笑みを浮かべ再度優しく手を這わす
首から徐々に、途中触れないように気を付けていた胸のふくらみに指が当たると湖から甘い悲鳴が上がる
湖は声を出さないように、唇を噛みしめ耐えていたがゆっくり慎重に下がっていく三成の手にだんだん翻弄いた
また三成も、時折聞こえる甘い吐息を意識しないよう触診していたが、雲がかかっていた月が出て来たことで部屋が少し明るくなり
そこに裸体で横たわる湖の姿が見えると自分のしていることに動揺し始めてしまう
三成の袖裾を両方持ち、フルフルと体を震わせ目を閉じ赤い顔で耐える姿はなんとも言えない
手が、腰まで来た頃
三成の触診が進まない事に不安を覚え、うっすら目を開けた湖は三成の頬が赤いことに気付く
「どうした…の?なにか、あった?」
(私の知らない痣でもあったかな?)
「あ、いえ…」
はっとしたように、湖の目を一度見ると三成は足先に手を伸ばす
が、その際湖は三成の顔がはっきり見えたことに気づき上半身を持ち上げた
明かりはついていないが、月明かりが先ほどと比べものにならないくらい明るく室内がよく解る
よって自分の姿も…