第6章 おつかい (裏:三成、光秀)
三成は、背中の中央をじっと見る
そこには、指でついたような跡が点々と散っていた
(どうして、こんなに乱暴に…)
自分でも気づかない内に、怒りが湧いてきていた
「家康様の言う通りのようですね…」
「うん…じゃあ、着物を…」
「では、次は寝て下さい」
「え…」
そっとひかがみに腕を置くと、横抱きにし湖を褥にうつぶせに置いた
そして、寝衣をするっと抜き取ってしまう
「え、えぇ…っいや、三成くんっ」
羽織るものもなく、仰向けになることもできずうつぶせのまま敷かれた布団を握り三成の名を呼ぶ
「触診させていただきます」
三成は、優しく左手から右手、背中から腰までと手を這わせていく
(ひゃぁぁぁぁ…無理っもう無理っ!いくら暗くてもこんなの意識しないなんて無理っ!)
「…っん、、」
我慢はするも、少し冷たい手が自分の体を這うと反応してしまう
「…もう少し我慢してください」
つま先に三成の手が行くと、徐々に付け根に上がってくる
「み、三成くんっ、お願い。それ以上はダメっ!」
顔をうつぶせのまま願うと、手は太ももで止まり次の足に移動した
「ひゃ…」
ようやく手が這い終わると、湖は大きく息を吸い安堵した
「背は、二か所だけのようですね。では、次は前を…」
「っ…三成くん、もうお終いっ!もうやめようっ」
「それは、いけません。確認しないと気がすみません」
暗い室内でも、おそらく大真面目な顔で物申していることが解る
(ど、どうして…どうして、私は三成くんに弱いんだろう…駄目だって言い切れない…)
「…どうしても?」
「お願いします」
「絶対見ないで…」
「大丈夫です。暗くて見えていません」
「…本当に?」
「本当にです。もし、怖ければ目を閉じていてください…どちらにしても暗くて何も見えませんが…」
(三成くんが・・・三成くんは、いつも何にでも真面目だから…だから拒否できないんだろうか…)
「…わかった」
ゆっくりうつ伏せから手を付き、仰向けになると胸を腕で隠し足をきつく閉じ仰向けになる
そして、目をぎゅうっと閉じて早く終わることを願うことにした
「っいいよ…」
「はい、では失礼します」