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【イケメン戦国】私と猫と

第25章 桜の咲く頃  二幕(六歳)


湖の居る部屋の前で謙信に睨まれる兼続
その部屋の中では、三成が横に付きながらもやんわりと休むようにとたびたび説得しているのが聞こえた
部屋の隅には白粉も座りその様子を見守る

はぁと、大きなため息をつくと政宗は横にいた信玄に聞く

「あと何日くらいあぁなる感じなんだ?」
「湖の宣言からするとあと三日だが、あの量じゃ…三日は無理だろうな」
「兼続、もう褒美をやったらどうなんだ?」
「幸村殿、某も湖様にそう言いましたが…」

白粉が彼らの方を見て言葉を続けた

「褒美とは、成果のあとに与えられるものなのだと言い張って聞かない。まるで武士の考え方そのものだ…私は、湖にもっと自由に育って欲しかったのだが…」
「あー…三歳の頃のご褒美経緯がこう根付くとはな…」

三歳の頃、一ヶ月前湖は、兼続に文字の読みが出来るようになったら…と馬というご褒美をもらっていた
今、成長速度が異常に早い湖にとっては一番大きな記憶なのだろう

「…石田三成、貴様信長に手紙を書き滞在期間を延ばせ」
「確かにな…そうすれば、湖の焦りも無くなって食事もするようになるか…このままじゃ、育つもんも育たないからな」

謙信が眉をひそめ、政宗が湖の身体の細さに息をつきそう言えば三成は頷き

「実は、このご様子ゆえ昨日のうちに手紙を出しております。返信き次第、湖様にお伝えしようかと…あ、湖様。ここはこう…とめてはねると…」

答えながらも、目線は湖の手元の筆だ
指導も怠らない三成に政宗は再びため息をついた

「このままじゃ、三成に似て食事すらおろそかにする集中力が磨かれそうだ…俺は、昼餉を作ってくる。食事までに、湖のそれ。止めさせろよ」
「かしこまりました。政宗様」

その後間もなく三成の元へ信長からの返信が来る
滞在期日の許可
政宗は政宗が必要な軍議があるため、あと数日で安土に戻るが、三成はそのまま湖が落ち着くまで滞在しろとの事だった

手紙はもう一通
秀吉からだ
滞在は致し方無いが、極力早めに戻るようにと丁寧に書かれてある
そして政宗と入れ替わりに来る武将ののことも

三成は丁寧に手紙を畳んでしまうと、小さな笑みを浮かべた
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