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【イケメン戦国】私と猫と

第25章 桜の咲く頃  二幕(六歳)


これには、課題といい目標を渡した本人兼続がうろたえた

「湖様、それはいくらなんでも無謀です。今日は、確かにもう予定より進んではおりますが…あと七日でそれをとなれば、休む間もありませぬよ」
「ううん。だいじょうぶ!お馬さん、のれるんだもん!湖、がんばるよーっ」
「湖様…馬には乗れます。そんなに無理せずゆっくりと進められてはいかがですか?」

三成が、湖を宥めるが…

「あのねっ、みつなりさまにおべんきょうみてもらったから、ごほうびも みつなりさまにもらうのっ!そうきまってるの!」

そう言うと、ふんと頷き茶碗をドンと置いた湖

「じゃあ、いってくるね!かかさま、ととさま」

そう意気込んで席を立ってしまった
残された三人と一匹

「…兼続、湖が身体を壊したら祟るぞ」
「白粉様、それはご簡便を」
「困りましたね。あれは本当にそうされるご様子ですが…」
「湖の事だ。頑張った事は、頑張った相手に成果をみせたいってところだろうな…兼続、褒美を途中経過の息抜きに変えてやったらどうだ?」

んーと湖の出て行った方を見たままの兼続は、少しの間ののち苦笑しこう言った

「まだ…六歳の言うことです。途中で疲れて根を上げると思いまするので…少し様子を見てみましょう」

だが、大人の湖をよく知っている三人は

(いや…やりきるだろうな)

と、深いため息をつくのだった






予感は的中し、その日からの湖は食事すら動こうとしないほど集中するようになる
いくら兼続や信玄が言っても、食事に疎い三成ですら気にして言い始めても「大丈夫」の一点張り
白粉は日に日に機嫌が悪くなり、佐助も頭を悩ませた
そして、稽古に夢中であった三人ですらそれを止め
当然のように、矛先は…

「兼続、いったい貴様はどんな勉強課題を湖に与えている」
「至って通常六歳程度の書き方で御座います…もちろん、六歳の日が少ない湖様向けに絞り込んだもので…一ヶ月と考え無理の無い量です…殿…」
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