第1章 タイムスリップ
「おかえりなさいませ」
家臣に迎えられ信長たちは城内へ
信長は湖を抱え歩き出すが、
「信長様、お疲れ様でした」
そう言い頭を下げた男へ湖を手渡した
「三成、そやつは湖という。面白い娘なので連れ帰った。風呂にでも入れ着替えさせろ」
「かしこまりました。湖様ですね。よろしくお願いします」
にこりとした笑みは天使のようで、湖は文句を言うこともなく
「よろしくお願いします」
と声が出てしまう
「三成には懐きそうだな。くれぐれも逃がすな…そうだ、首輪でもつけておけ」
「首輪?ですか?」
「や…!やめてくださいっ!」
きょとんとする三成に抱えられた湖は信長の着物の端を握った
「では、あの時のように逃げ出すな。次に逃げれば首輪をつけるぞ」
冗談じゃないとばかり、大きく頷く湖
「では、湖様をお連れします」
三成は軽々と湖を抱えたまま歩き出した
「あの…ご迷惑お掛けします…」
湖は三成を見上げ声をかけた
「いえいえ、あ。申し遅れました、私は石田三成と申します。よろしくお願いします」
「あ、こちらこそ…お願いします。三成…様」
「気になさらず、三成とお呼びください」
「じゃあ…三成…くん」
「はい」
三成のほんわか空気に心を癒され笑みを向けた
「ところで…つかぬことをお伺いしますが…湖様、この羽織に下にお着物は…」
湖は顔を染め下を向き小声で答えた
「すみません…なにも…」
「わ…私も変なことを伺い、申し訳ないです…急ぎお連れしますね」
少し急ぎ足になると、三成は女中に指示をだし湖を預けた