第1章 タイムスリップ
(もののけの次は、鬼?!失礼じゃない!)
声のほうには黄色の着物を着た男が、気味悪そうに自分を見ていた
「あなたたち、誰?!私は帰りたいんだから!離して!!」
「ほぅ…人の姿で見つかったか」
また別の声と馬の足音がすると、湖はそちらを向き驚いた
昨日の火事で自分が起こした男、そして怖くなって逃げ出した男の姿があった
「信長様、これは危険です」
湖を抱えた秀吉が言った
「着物を捨てて行ったので、猫のままかと思ったが…よく見つけたな」
信長は湖を自分の方へ引き寄せ、湖の羽織下を見た
「裸のままで歩いていたのか?」
湖は、自分の胸元に気づき羽織を抱き寄せるように身を隠す
「いえ、俺が見つけた時は猫でしたが…犬の鳴き声の後、人に姿が変わりました」
政宗は湖に興味の眼差しだ
「そうか…犬か…」
ふん…と、走っていく犬をみながら
「秀吉、この女は俺を助けた者だ…連れ帰るぞ」
「…信長様が決めたなら」
行方を伺っていた湖は、はっとし口を開こうとしたが
「貴様はこのまま動かず喋らずいろ。騒ぐと裸のまま放り出すぞ」
そう信長に言われ、何も言えず固まった
(なに?この人?!…でも裸のまま放り出されても困るし、寝てもつねっても目が覚めないって事は夢じゃなさそう…)
まだ現状把握出来ないまま 湖は早馬で城へと連れてこられた