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【イケメン戦国】私と猫と

第24章 桜の咲く頃


「ちび、餌付けされんな!」

幸村が、湖にそう言えば…

「えづけってなぁに?」

と、首をかしげて笑うのだ

それは、信長達からしてみれば見たことのない光景で大人の湖の面影がないものだった

『湖、知らぬ人間からもらう物は気をつけろと言っただろう?』
「ごめんね、かかさま。でもね、きれいな こんぺーとーだったのよ、もうたべちゃってないけど…」

白粉に怒られながらも、自慢げに答える湖に三成は笑みを浮かべ、政宗が吹き出した

「く…くくっ…」
「政宗さん、笑い事じゃ無いです」

それを家康がため息をつき制した

「いや、悪い…本当に童だと思ってな…」
「確かに…光秀と三成に聞いてはいたが…なるほどな」
「本当に…湖か…」

政宗が笑いを止められずにいると、信長もフッと口角を上げるのだ
そして秀吉はまだ不可思議な表情を浮かべる

「けんしんさま、けんしんさまのおともだち?」

信長達の一番近くに座るのは謙信だ
だから、湖は謙信と彼らが友達だと思った様子で、小首をかしげて尋ねてくる

「いや…違うな」
「ちがうのー?じゃあ、ととさまのおともだち?」
「悪いがそれも違う」
「ふーん…じゃあ、あのひとたちは だあれ?」

湖が指を指すのは、信長達の方だ

「湖…」

秀吉がその様子を悲しそうに見つめる

「たかなしのおじーちゃんは?おじーちゃんのおうちでしょ?」
「そうだ。飯山城だ…」
「じゃあ、おさけもらって さくらさまのとこ いこー?」
「そうだな…」
「湖、おじーちゃん さがしてくるよー」

そう言うと、信玄の腕の中から出た湖は止めるのも聞かずに広間を出て行く
そのあとを白粉が駆けて追っていった

「…さて…どうしてくれようか…」
「なにがだ」

信長の言葉を謙信が受け流す

「…光秀から聞いた話では、一月(ひとつき)毎にこの当たりに来なければならんと聞いたが…」
「その通りです」

信長が湖の出て行った方を見ながらそう言えば、佐助が肯定をする
その佐助を謙信が横目で見るが、特に苦言はする様子はない

「…では…同盟を結べ。半年だけの」
「なに…?」
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