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【イケメン戦国】私と猫と

第24章 桜の咲く頃


翌日、起きて早々に湖が白粉にねだりだしたのは外出だ
ならばと、猫の姿で行くことを伝えると…

「ちがうのっ、かかさまと おだんご たべたいの!」
「…菓子なら、兼続に頼めばいいだろう」
「ちがーう!湖は、おでかけしたいのっきのう、しんげんさまと おでかけ たのしかったの」

はぁと息をため息をつく白粉に、佐助も苦笑いを見せた
おそらく昨日、信玄と出かけた際に城下で茶屋でもみたのであろう

「お餅は、湖さんにはまだ早いと思うけど…」
(よく正月ニュースで、こどもや年寄りが餅で喉詰まり…なんて流れたてたな…)

「ちっちゃくして たべるもん!しんげんさまが こんぺとーみたいにおいしいっていってたもん」
「こんぺいとう、ね。湖さん」
「んっ」
「信玄…余計な事を…」

ちっと舌打ちを見せた白粉を佐助がなだめる

「まぁ、まぁ…いろんな味覚に出会っておくのは、こどもの頃から必要だと本で読んだこともありますし…じゃあ、行きますか」

はぁ…と再度ため息をついた白粉が腰を上げた

「来い」

そう言えば、ぱああっと笑顔を浮かべた湖が抱きついてくる

「かかさま、だいすき!!」
「…」

ふっと笑みを零す白粉の表情は、柔らかく母そのもの
佐助は、下からその笑みを盗み見て口角を上げた

三人は兼続に行き先を伝えたあと、城を出る
城内を歩けば、家臣達が「いってらっしゃいませ」と挨拶し、この奇妙な三人がすっかり受け入れられていることが解る
まして、湖は老若男女とはず懐くので…

「湖様、どちらに行かれるのですか?」
「そこなら、帰りに此処に寄られるのをおすすめいたします」
「気をつけてくださいませ。佐助殿と、白粉殿から離れずに…」

などなど出るまでに様々声を掛けられる
そのたびに「わかった!」と返事をする湖に皆笑みを浮かべるのだ


「…すっかり受け入れられましたね」
「人間はこんなに柔軟に何でも受けれるものか?…少なくとも、私が知っている過去の者達とは異なるが…」
「そうですね…謙信様が受け入れた者は、すべて受け入れるのが今の上杉家ですから」
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