• テキストサイズ

【イケメン戦国】私と猫と

第24章 桜の咲く頃


ある程度の食事を済ませたところで、白粉の膝で食事をしていた湖が佐助の元に寄ってくる

くいくい…

袖を引かれて佐助は、湖の方を向いた

「湖さん?どうかした?」
「にーたん…んっ!」

湖は、佐助ににこにこしながら片手を突き出す
一方、突き出された小さな手の平を見て佐助は…ポンと片手を打った

「あぁ…これ、かな?」

懐から小さな箱を取り出す
箱からからりと、金平糖が転がる音がする

「わぁっ、それが…とんぺーとう??」
「こんぺいとう、だよ。湖さん」

小さな箱を開けてやれば、湖は興味心身にのぞき込む
中には、白くて丸い小石のような物が入ってる

「いし?」

それを横から一粒つまむ手が伸びてきた

「口開けてみろ、ほらっ」

幸村だ
一粒つまんだ金平糖を湖の口に入れてやる
ころりと口内に入った金平糖は、舌先に当たると甘みを伝え、徐々に口の中いっぱいに甘さが浸透する

「ん、んっ!おいひぃ」

三歳児の口には大きかったのか、舌っ足らずな湖の口調がさらに回っていない
ただ目はきらきらさせて、金平糖のおいしさに浸っているのはよく解った

「ちびすけ、堅いから噛むなよ」
「んー」

ころりと、口の中を金平糖が動けば湖の頬もふくれる
その様があまりに面白く、幸村がふくれた頬をつつき湖で遊び始めれば…
おちついて金平糖を食べられない湖は、両手で口を押さえながら幸村から逃げようとするのだ

「…三人は、兄弟のようですな…」

ぼそっと政頼がそう零した言葉が、信玄の耳に入る

「んーん?」

騒がしい三人(いや、ただしくは二人)
佐助は、金平糖にすでに蓋をして食事をしているのだ
彼らを見れば、確かに幸村を頭に、次男 佐助、末っ子 湖で通りそうには見える
全員外見は違えと、仲の良さは兄弟のようにも見えた

「じゃあ、父親は俺か?幸村の親代わりのようなものだしな」

「だれが、親だ!」
「恥ずかしがるな、幸」
こちら長男、えらく赤面で答えた

そして次男
「父上、なんなりとお申し付けください」
「…佐助、貴様の君主は俺だぞ」

最後に末っ子は…
「しんげんさまが、ととさま…?」
/ 1197ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp