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【イケメン戦国】私と猫と

第24章 桜の咲く頃


「っ、くちんっ…」

空が橙色に染まりだした頃、
城に戻り信玄の部屋で遊んでいた湖は、くしゃみが止まらずにいた

「あー。風邪でも引いたか?」
「ううん。おはな かゆいのー」
「ほら、ふーんしろ」

鼻紙を信玄に当てられ、素直に鼻をかんでいれば、ストストと歩く音がする

「あ…」

湖が気づき、襖の方を見れば
声もかからず襖が空き、不機嫌そうな白粉が顔を出した

「湖…信玄、なんで湖がくしゃみなんてしているんだ?」
「風邪ではないみたいだぞ」
「うん、おはな かゆいのー。むずむず するっ」

信玄と向かい合って遊んでいた湖を抱き上げると、白粉は自分の額を湖の額と重ねて熱を測る

「…熱はないな。他に、どこか痛いところとかは無いか?」
「うーーーん。おしり?」
「尻?」
「っぶ…ははっ…」

「尻」の繰り返しに、信玄が笑いを零す

「湖…くくっはっ、それは…馬に乗ったからだ…っ、くくく…」

おなかを抱えて笑う信玄に、湖は「あーそっかー」とつられ笑いを見せるのだ
それに白粉は「はぁ」とため息を零した

「鼻はどうだ?」
「うん、もうへいき!ちゃんと、ふーんしたよー」
「そうか。信玄、礼を言う。ずいぶん楽しかったようだな」
「すっごく、たのしかったよー!しんげんさまと、おうまさんのって、かわにいってきたの!」

湖が思いだし、白粉に説明し始める

「おはなも いっぱいで さくらさまのとこ みたいに、どうぶつも…」

そんな話をしているところに兼続が現われる

「信玄様、お帰りで良かったです」
「おぅ、ただいま」
「謙信様と高梨様がお待ちです。よろしいでしょうか?」

「よっと」と、腰を上げる信玄に目を向けていた湖

「しんげんさま、どこいくの?」
「謙信に呼ばれてな」
「…湖もいく!」
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