• テキストサイズ

【イケメン戦国】私と猫と

第24章 桜の咲く頃


にゃぁ?!

リリンッ

顔を上げたと思えば、ぽんと音を立てて目に映るのは裸の童だ

「ほんと?!いいの??けんしんさまもあそぶ?!」

謙信は慌てもせず、自分の袖で湖の体を隠すように抱き上げれば

「…たまには構わん」といい湯殿へと足を向け始めた
それをぽかんと見ていた幸村と、佐助だったが、湖に「はやくー!」と呼ばれると苦笑いやら、顔を曇らせるやら、微妙な表情をうかべるのだ

「おい、これ…今は童でも猫娘に戻っても覚えてるんだろう?」
「だと思う」
「あいつ、どんな反応するんだろうな」

幸村が言った言葉は、まさに佐助が先ほど思っていた事だ

(まぁ…まだ三歳のこども…ロリコン…可能性があるのは信玄様くらい…)

「あ、御館様。これから風呂に行ってきます」
「おぉ。俺も一息つこうとしてたんだ。一緒に行こう」

(ん…??)

幸村と連れだって歩いていた佐助は、庭先に首をむける
すると、手ふきで額を拭きながら信玄が連れ立って歩き出しているのだ

(んん…これは、兄としては由々しき…)

「な、佐助」
「…まぁいいか…」
(まだ三歳…まだ)

「なんだよ、そのいいかって?あ。そうだ、湖と謙信様も先に行って…」

幸村が、信玄に事情を話すのを小耳に入れながら、湖の次の年齢を考える佐助であった

(混浴禁止は、小学生からだったはず…うん。今は、まだいい)

そう、一ヶ月後
六歳の姿の湖になるのだ

「あ。そうだ…先に行っててくれ。忘れ物をしてきた」
「おう」



そして、風呂に着けば…
腰布だけの男の中に、裸で走り回る童

「これはいいな。佐助のお手製か?」
「ええ。小さなこどもには風呂は深いと思って…ちょうどいい大きさで良かったです」

信玄と佐助が見下ろす先は、こどもが余裕で入れる桶だ
そこに、湯と水とちょうどいい温度にしてやれば、湖はぱちゃりとそこに座る
腰下までつかるような半水浴状態だが、こどもにはジャストサイズだった

「湖さん、熱くない?」
「うん!ちょーどいいっ」

にこっと笑い返す湖の目の前に、ジャポンジャポンと丸い物が降ってくる

「わぁっ」

一度沈んだそれが、水面に浮けば…

「檜のボールと…」
「わぁ、うさぎさんも、くまさんもいるっ!」
/ 1197ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp