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【イケメン戦国】私と猫と

第23章 大切な人に贈り物を (裏:政宗、家康、光秀、三成)


ざわりと身体を震わせ、三成の口元から耳を離そうとしても、湖の身体は三成両手に挟まれ身動きが出来ない

「そこ・・っやぁ…みつ、なり…っくん」
「…歌って」

未だ耳元で声を発する三成
その吐息と声の振動が耳を震わせ、足先までそれを伝えるのだ
それにきつく目を閉じている湖

(もっと声を…私だけが、知っている声を…)

指先を首に添え徐々に下げていく
湖は気づいたようにその手を握ってくるが、その反応が拒否では無い事はもう知っている
無意識の小さな抵抗と期待
握られた手は、もっと別のところを触って欲しいと言うように優しく握られ、小さく震えてるのだ

つーと、指先で触るように襟合わせに忍び込ませる
そのまま胸元に手を忍ばせ、襟元を開き触れれば小さな吐息が漏れるのだ

「っぁ…」

声を聞きたいだが、その声を発する小さな唇を塞ぎたい
まるでその零れた吐息をも吸うように重なる唇

(私だけが…知っている甘い歌を)

「ふぅっ、ん…んっ」

空気を吸うわずかな間しか与えない執拗な口づけ
湖は、もうそれだけで身体全身が痺れ、神経のすべてを三成に奪われるようだった
三成が上に覆い被さっている事で身動きできない身体
聞えるのではないかと思うくらい忙しなく響く鼓動
目をわずかに開けば、三成のいつもとは違う、熱を帯び一時たりとも見逃さないというような真剣な瞳に囚われる

(三成くん…どうしたの…)

聞きたい
だが、その隙も、思考すら纏める時間がない
やがて息をするのに苦しくなった湖が、軽く三成の胸を押せば、彼はそれに気づき距離をとった
湖は、ようやく自由に空気を吸えるようになると息を見だしながら肺に酸素を補給する
そして、呼吸を整えるように何度か大きく息を吐くと…
火照った瞳で三成を見上げて言うのだ

「私は…三成くんのこと…なにか、傷…つけた?」

(傷…)

「どうして、そんなに…そんな怖いくらいな眼差しで…何を見ているの?」

(…怖い)

「……、私は三成くんが望むなら…いくらでも歌うよ…だから」

三成の頬を包むように添えられる湖の手

「そんな顔…しないで」
「顔…?」
「今夜は、特別な夜なの…そんな夜には、大好きな人には微笑んでいて欲しい…」
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