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【イケメン戦国】私と猫と

第23章 大切な人に贈り物を (裏:政宗、家康、光秀、三成)


畳に広がった髪を梳くように一房持ち上げ、その先に口づけを落とす
湖の甘い花の香りと、なにか果物の匂いがした

(…何の…?)

「…何かつけられましたか?」
「あ。うん、湯浴みした後に…光秀さんから貰った香油をつけてみたの。柚の香り、良い香りでしょ?」
(佐助くんのことはさすがに言えない)

「…そうですね…」

少しだけ間を置いて返事をする三成の顔が一瞬だけ曇ったように見えた

「三成くん?」

三成の顔が近づけば、唇を食べられるように荒い口づけをされ、湖は必死にその合間に呼吸をするのだ

「んっ、…あ…」

ちゅ、ぴちゃ、

「ふぅ…、んン」
(なんかっ…、三成くんらしくない…っ)

その荒い口づけに答えながらも、湖は三成の態度に違和感を覚える

「み、っ…っ、みつ、なりくんっ…!」

三成の胸に手を置き軽く押し、目の前の彼の名前を呼べども返事はない
ただ止まった行為に、湖が薄ら目を開ければ目の前にあったのは、眉間に皺を寄せ目の下を薄ら染める三成の顔だ

(三成くん…?)

その頬に手を添えるように、三成の胸から手を移動させ指先でその肌に触れる

「どう…したの?」
「…わかりません…」

なにかを思い詰めたような表情に言葉を失う湖
少しだけ、たった少しの時間が長く感じられた
だが…じっと見ていた三成の表情、口元が小さく動くのだ

「……」
「…え?」
(なに…なんて…?)

「湖様…歌ってください」
「歌…って…」
「特別なぷれぜんと、だったはずです」
「そうだけど…っ、だって…っ」

戸惑う湖
それはそうだ
今は三成に押し倒され、それに…
先ほどから…

「こんな、んじゃ…んっ」

触れるだけ
だが、時折小さくわざとリップ音を立てて
そのかすかな感触が、甘くも感じれば、もどかしくも感じてしまう

(もっと、…)

目を閉じた湖の耳に一瞬にかすかに笑ったような息が聞える
だが目を開いても三成の表情は見えない
見えるのは髪の毛と、三成の香り

(…あ…)

かぷりと、耳に暖かみを感じる
そして…

「っやぁ…」

ぬるりと、耳の縁を舐めとるように這う生暖かい感触

(舌…っ)

「もっと」

三成の優しい声色が耳の近くで、身体をくすぐるように響く
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