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【イケメン戦国】私と猫と

第23章 大切な人に贈り物を (裏:政宗、家康、光秀、三成)


■ 「聖夜の夜に : 三成編」 ■


(歌…)

天主から出た三成が、御殿に戻ろうとすれば声が聞えた

「湖様…」

聞き逃してしまいそうなその声の方へと足を向ければ、そこは湖の部屋ではなさそうだ

(台所…ですかね…)

そちらに向かえば、声はだんだんとはっきりしてきた
そしてたどり着く前に歌が終われば、複数の声と拍手が聞える
「湖様、素敵でしたっ」「ありがとうございます」「良い夢が見られそうです」
どうやら女中達のようだが…
台所に着き、そこに顔を出せば湖は女中達と共に円になってお茶を飲んでいた

「ちょっと、恥ずかしいです…でも、歌が贈り物になるなら嬉しいです」

にこりと微笑めば、彼女たちは湖を賛辞する
そんな湖が、戸口の三成を見つけると…

「あ。三成くんっ、信長さまたち…終わったの?」
「いいえ。まだ光秀様と信長様、それに秀吉様はいらっしゃいますよ。湖様は…何をしておいでですか?」
「あ、お水を貰いにきて少し皆さんと話をしていたんです」

「湖様から、歌の贈り物を頂いたんですよ」
「異国の歌でしたが…すごく素敵でした」

「そうでしたか。では、お部屋までお送りいたしますよ」
「うん」

三成はそんな湖に笑みを見せた
女中達が微笑ましく見守る中、湖が薄ら頬を染めているのに気づかずに

部屋まで送れば、湖はお茶を出すからといい三成を部屋に招き入れる
そして、湯飲みにお茶を入れながら聞くのだ

「あのね…」

あのね、からの先が無い

「…?湖様…もしや眠たいですか?」
「え…っううん。違うの」

ぱっと頬を染めるところを見れば、眠いという事では無いようだ

「では、寒いですか?もう少し火鉢に近づかれて…」
「えっと、そうでもなくって…」

三成はそんな湖の様子に小首を傾げる

「えっとね…実は…私、三成くんにプレゼント用意できなくって…」
「ぷれぜんと…ああ、先ほどおっしゃっていたさぷらいずぷれぜんとでしょうか?」
「…うん」

ますます解らないときょとんとする三成に、湖は続けた
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