第23章 大切な人に贈り物を (裏:政宗、家康、光秀、三成)
ぐんっ
密着するように、寝衣の下に手を差し込まれて添えられた腰を引かれる
そうすれば、光秀の片足をまたぐようにし湖の身体が光秀と密着するのだ
「っ…」
丁寧に口内を舐めとられ、ぞくぞくと身体が疼く
やがて、小さなリップ音と共に光秀の顔が離れれば、湖は半開きの口のまま光秀を見つめるのだ
「お前を苛めるのは楽しい」
ぱちりと目を見開く湖に光秀が続ける
「お前の事を苛めて愛でて良いのは俺だけだ」
「っ…」
「…他の男に苛められたら報告しろ」
そして反論を許さないように、再び唇が重なった
湖は必死に光秀の口づけに答えようと夢中になる
そうだ…この女を…
先の一件、大山に拘束され怯え顔を歪ませる湖を思い出す
広い場所に着いたかと思った矢先に見えたのは、動けずにいる湖と襲いかかりそうな犬
懐から短銃を取り出したと同時に政宗が掛けだした
その隙間を縫うように犬の頭に狙いを定め迷い無く打ち抜く
大山を取り押さえた政宗に、湖に駆け寄った秀吉
あの時の泣声
今でも耳に残っている
幼子の悲鳴のような泣声だった
あの男を、打ち抜いてやれば良かった
そう後悔するとは思いもしなかった
光秀は目を軽く閉じ、あの泣声を払う
「んっ、ん…、ん」
光秀は腰に添えていた手を背中まで這うようにあげ、そして寝衣と綿羽織を一緒に湖の片腕から抜き取る
そうすれば、反対の手に残りの寝衣と羽織を引っかけただけで、湖の素肌はもう外に晒されるのだ
だが、当の本人はまだ気づいていない
光秀の執拗な口づけに答えるのにいっぱいなのだ
その様子に満足したかのように微笑む光秀は、口づけをしたまま背を支え褥の上に湖を倒す
湖は、いつのまにか両手を光秀の広い肩に回ししがみつくようになっていた
ぺろりと、真っ赤に染まった唇を舐めとった光秀との距離が開く
光秀は、湖の顔の横に手を、片足を湖の足の間に置いて四つんばいになっている
「湖、脱がせろ」
「…は…い…」