第23章 大切な人に贈り物を (裏:政宗、家康、光秀、三成)
湖は自分の手を光秀の襟元に持ってくる
そこで、自分の手の片方から着物が抜き取られたときに気づき、そして寝そべっている自分の素肌が晒されていることに驚いて手を縮めた
「…湖」
だが、光秀が急かすように名前を呼ぶのだ
湖は、きゅうと目を閉じると再度ふるえる腕を持ち上げた
そして、光秀の着物の合わせを開けるように手を差し込む
静かにゆっくりと、合わせを広げていけば…引き締まった光秀の胸元が見えるのだ
首筋から胸元…腹まで…
その光景に自分の事など忘れてしまうほど、釘付けになる
「どうした?」
「…綺麗だな…と、思って…」
「…おかしな事をいうな」
ふっと口元を緩ませる
顔の横から光秀の手が無くなったと思えば、彼は開かれた着物を脱ぎとるように肩から抜く
そして袴の紐を解くと、光秀の身体が露わになるのだ
湖は、その姿に頬を染めて横を向いてしまう
「なんだ…?」
「…いえ…」
つーっと、光秀の冷たい指が鎖骨付近を撫でる
灯の灯る部屋
湖の素肌はよく見えた
胸元を隠すように閉ざされた手に指で触れる
(綺麗とは…このようなものの事を言うんだろうな…)
するっとまるで絹のようなその感触
「ん…」
ぴくりと、湖が反応すれば…
「そうだな…今宵はゆっくりと事をすすめようか…」
「え…?どういう…」
見上げた光秀の顔はいつもの笑みとは違う
柔らかいものだったから、湖は言葉を詰むんでしまう
光秀の手は優しく身体を撫でていく
口づけをしながら
熱の籠もった部分以外を
腰から脇まで
手の平を辿って首まで
鎖骨から胸の間を通って腹まで
大きな手が優しく伝っていくのだ
ちゅ…、ちぅ
「ん、…ん…」
優しいその行為を意外に思い受けていたが、その内もっと触れて欲しいというもどかしさが産まれ始める
だが、光秀の行為は変わらないのだ
ただお互いの肌を合わせて温め合うような行為
なのに、湖の熱は中心に集まり始めている
(触れて欲しい…っ)
「っ…みつ・・ひでさん…ん、」
「……」
口づけの合間に名前を呼ぶが、返事もせずにすぐに塞がれてしまう
もどかしくなる
触れて欲しくて熱が籠もって仕方ないのに、相手は全く触れようとしないのだ
(もう…っ…)