第23章 大切な人に贈り物を (裏:政宗、家康、光秀、三成)
未だ抱えたままの湖だが、当人はその事よりも質問の返しで頭がいっぱいのようだった
家康は、その考え込んでいる眉に唇を落とす
そうすれば、湖の瞳は驚きで見開かれるのだ
「い、いえや、す…っ」
「なに?」
ちゅ…ちゅぅ…
頬、鼻先
ちゅっ…
耳
ざわりと、甘い痺れが湖の背中を掛けた
「家康、ちょっと…待って…」
じゃぶ、っと湯が跳ね出す
「あんたが答えるまで止めない」
そう言えば、家康は何かを言おうとして薄く開いた湖の唇に口づけを落とした
既に開いたそこに舌を差し込み、逃げる舌を追い絡め取る
「ふぅ・・、ん…」
左手は開き、右手は閉ざされたままで家康の胸に手を置きわずかに抵抗を見せる
そうすれば、家康はその身体をわずかに持ち上げ湖の尻を風呂の角に置くように誘導する
そして、左手でその身体をそこから落ちないように支え右手で湖の顎をすくい取り、さらに深い口づけを落としていく
ふわりと、湖の香りが鼻をかすめる
(この香り…湖に触れれば強くなる…媚薬のようだな…)
当の湖にはそのつもりは毛頭無いし、以前この香りについて聞いても本人は自覚もないようだった
(…無自覚なのが厄介だ…)
「っはぁ、ぅんっ・・んん…」
少しだけ息継ぎの間を与え、再度口づけを落とす頃には湖の抵抗はなくなり、自分の肩にもたれかかるように腕が回される
そして必死に口づけに答え始めるのだ
(ほんと…この可愛い生き物…なんなのさ…)
自分が今、説教していることさえ忘れそうになるが…
「で…なにしてたの?」
小さなリップ音を立てその唇を解放すれば、「もっと欲しかった」と欲する視線を感じる
それに耐えて、あえて何も刺激を与えずにいれば…
「…言ったら…もう一回口づけしてくれる?」
と瞳を潤ませ聞いてくるのだ
「…いいよ」
家康の背にゾクリとした感覚が伝う
「あのね…これ見てたの」
そう言い湖が家康の肩から手を外すと、右手の拳を開いて見せたのは、やはりあの帯留めだ
気まずそうに続ける湖