第23章 大切な人に贈り物を (裏:政宗、家康、光秀、三成)
「…そうか…」
少しだけ、眉間の皺が緩まるのを見れば湖は微笑む
だが、それは一瞬
政宗が少しだけ身を持ち上げ、湖のその傷跡に口づけを落とすまでのこと
ちゅぅっ
「ま、まさむねっ…」
突然の行動に驚くも、政宗はそのまま片手で背中を支えた状態で、立ったままの湖のその胸元に口づけを落とし、もう見えない傷をもなぞるように舌で舐めるのだ
ぴちゃ、ちぅ…
「ひゃ、ま、さむね…っん、ん…」
(もう…これ以上、傷なんてつけてたまるか…)
湖についた額の傷、よくよく見なければ解らないような薄らした傷だが、あれはずっと残り続けるだろうと家康が言った
あれから、湖を傷つけないと誓ったのに…
攫われた湖は、そんな誓いなど役にも立たず刀傷を負わされた
(あの場が目に入った瞬間…一気に沸いた殺意…よく止められたもんだ…)
大山が犬を縛る綱を切ろうとした瞬間
掛けだした政宗より先に、光秀の打った弾丸が犬を撃ち殺した
駆け出す政宗の後ろから、狭い通路と政宗の隙間を縫い正確に後頭部を打ち抜いたのだ
(あれがなきゃ…あの男、そのまま叩き斬ってた…)
光秀の短銃は前から信頼出来るものがあった
決めた的は外さない
だが、あの場で自分を掠めることもなく標的を打ち抜いたのには感服だった
(おかげで、真っ二つに斬損ねたがな…)
そのあとの湖の泣き声が今でも耳に残っている
(あそこまで怯えさせたあいつ…やっぱり叩き斬ればよかった…)
あの場から一刻でも早く、湖を出したかった
湖を抱えたい衝動を抑え、秀吉に任せた
任せて正解だった
秀吉と三成は、湖が毒を打たれていることに気づいてすぐに城に運んだ
もし自分だったらそれに気づいたかどうか…自信がない
あの泣き声に動揺して見過ごしたかも知れない
口づけを落としながら、支えている背中にまだある衣を下げるようにしていけば、形の良い胸が顔を出す
だが、湖は政宗に与えられる感覚に夢中でまだ気づいていない
(…もうあんな風には泣かせない…俺の側に居る限り…守ってやる)
顔を少し下げれば顎先に乳房の頂が触れる
そのまま顔を下に下げていき、灯に照らされてよく見える柔らかな白い乳房に口づけする
「ふぁ、や、やん…っ」