第23章 大切な人に贈り物を (裏:政宗、家康、光秀、三成)
「…そうだな…春を迎え終われば、貴様が此処に来て一年になる。この短い期間、貴様は珍妙な事ばかりしていたが…いい退屈しのぎだった、楽しめた。これからも、存分に献上しろ…退屈しのぎをな」
「確かに…面白い事が起るな、お前がいると」
「…騒がしくなっただけですよ…」
「俺は心配の種が増えた…」
「はい…湖様がいらっしゃるだけで、城が明るく賑やかになります」
「きっと光秀さんが居たら、「からかう相手が出来て退屈しない」って言うだろうね…」
政宗に、家康、秀吉、三成
そして最後に、家康が光秀の言葉を代弁するのに誰もが無言で頷いた
(間違い無く、光秀さんならそう言う…)
うんうんと、湖も首を振る
「だが…」
(ん?…秀吉さん)
秀吉の方を向けば、彼は真剣な眼差しで湖を見ている
「この数ヶ月で少しは成長したはずだ…湖、もう絶対に危ない事には関わるなよ」
(んん??いや…私が関わっているわけではなく、織田の姫って肩書きのせいなんじゃ…)
「お前、今・・自分の肩書きのせいにしただろう…違うぞ、よくよく思い出せっ!上杉に襲われたのは、その厄介な体質のせいだろう。次は自ら爆弾に飛びついた。崖から落ちたのは…確かに狙われたせいもあるかも知れないが、白粉の件も、あの異国の布教師の件も、ほぼお前自身のせいだ。姫なんて肩書きのせいじゃないぞ」
(えぇ…、)
秀吉の話を聞けば、どれも思い当たる事ばかりではあるが…自分のせいだという発言に対しては納得いかない
現代にいたときには、こんなにトラブルに巻き込まれる事は無かったから
だが、湖自身も話を聞いて感じた
(あ、私…麻痺しはじめてた…)
どれも命を落としてもおかしくないからだ
運がいい、だがそれでは収まらない
どの件も、織田の武将達や謙信達が助けてくれたから今もこうして此処にいれるのだ
「…確かにな…」
と政宗がぼそりというのが耳に入る
(確かに…そうだ。私が、ここでこんな風に皆と話して居られるのは、いつもいつも助けてもらっているからだ…)
「ですが、それもこれも。湖様のお心に従った行動でしょう…私は、そんな湖様が好きですよ」
「…三成、好きとか…恥ずかしくないわけ」