第23章 大切な人に贈り物を (裏:政宗、家康、光秀、三成)
「それで、なにかご用はないかと…」
三成の天使な微笑みに、湖はつられて微笑むが…
政宗がぴしゃりという
「お前に持たせると、飯がひっくりかえるかも知れないからな…良いぞ。広間で待ってろ」
「さようでございますか?」
「あ、湖も連れてけ」
湖は、急に自分の名前が出てきて政宗の方を向く
「お前も同様。あぶなっかしいから行ってろ」
「でも…」
「あれだろ?さっき作ってたやつも持って行ってやるから安心しろ」
あれとは、湖が作ったホットケーキだ
なんとか綺麗に色づき膨らんだホットケーキ
湖は、人ごとのように「すごい、すごい」と喜んでした
「うん、わかった。じゃあ、先に広間にいってるね」
(朝から、ずっと動いてたから…さすがに疲れちゃった)
三成と湖は、政宗を置いて広間へ移動した
すると、そこには他の武将達が到着しており食事を待っていた
そして、その場には宗久もちゃんと来ている
「おう、湖。お疲れ様」
秀吉に声を掛けられ「はい」と答えると湖はすぐに氷提灯に付いて聞く
すると、家康からあとで天主から城下を見てみればいいといわれる
「ここにもあるぞ」
そう言い、光秀が開けた広間の襖
そこには、前に湖が作ったよりも倍以上の氷提灯が置かれ暗闇を煌々と照らしていた
そして襖が開くと同時に、廊下にそって置かれている氷提灯に火が灯される
ぽぽぽぅ…
いつもは暗くて先が見えない廊下も、今日はすっかり目が届くのだ
「わぁ…すごく…綺麗…」
湖が廊下に身体をだして、その光りにため息を漏らす
「そうだな、貴様の案。町人達にも受けが良いと評判のようだ」
そんな湖の後ろ姿を見ながら、信長が声を掛けた
「そうですか、良かったです」
「ええ、皆さん。本当に楽しんでいらっしゃる様子でしたよ…姫様からの贈り物だと言いながら」
宗久が、ふふっと笑い湖に伝えた
それから程なくして大量のごちそうが運ばれてくる
政宗の料理は何でも美味しいが、今日は変わり種があった
「これはなんだ?」
石鍋に汁はなく、丸い固まり、それに野菜が添えられ
大根のすり下ろしに、醤油がかかっている料理
「はんばーぐです。湖の提案で調理してみました」