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【イケメン戦国】私と猫と

第23章 大切な人に贈り物を (裏:政宗、家康、光秀、三成)


「みなさん、開けますよーっ」

湖の声が聞える
そして女中が襖が開くと…

火鉢のような形をした氷の中に、蝋燭が灯されていた
広間の襖を開き見える庭に、五つ
中には、椿の花びらが氷の中に散っている物、和紙が入っているようで桃色に灯っている物もある

「ほぉ…」
「これは…」

小さく感嘆の息が零れた

「氷の提灯です。城下の人たちにも楽しんでもらいたくて…これなら、蝋燭だけ用意出来ればあとはお湯と桶だけあれば出来るんです。道なりに、置いて行けば綺麗かな?って…思って…どうでしょうか?」

氷の中で蝋燭の火がゆらゆら揺れれば、柔らかい光が揺れ動く

「すごく…素敵ですね…」

三成が感心した様子でそう言うと、湖は満面の笑みを浮かべる

「綺麗なもんだな…」
「冬だから出来ることか…考えたな、湖」

秀吉と光秀も褒めてくれる
そして、信長は脇息に持たれながら笑みを浮かべている

「いい案だ。城下へ周知し用意させろ。商家ではない家には蝋燭を配らせろ」
「っはい。ありがとうございますっ」

いまだ深靴を履いた湖は、信長に笑みを向けて飛ぶように喜んだ

「で…あんたは、いつまで外にいるの…」
「あ、うん。今、上がるねっ」

家康にそう言われて、板張りに腰掛けようとすれば政宗が近づいてくる
そして、板張りまで出てくるとそこでしゃがみ、湖を手招くのだ

「こっちに来い、湖」
「なに?政宗?」

そう言いながら寄っていけば、その身をひょいっと膝に乗せられ湖は驚いた

「ま、政宗!?」
「廊下が冷えてる。脱がせてやるから、じっとしてろ」

と、深靴まで脱がされる

「だ、大丈夫だよ」

そう言うが、湖の身体はすっかり冷え触れている足も冷たいのだ
有無を言わさず政宗は靴を脱がせると、湖を抱き上げて広間まで移動した
そして、火鉢の近くに置くと手を出すように言われる

「なに?」
「…家康」

政宗に呼ばれ、家康が近寄ってくればそのばれて手を見て

「火傷…」

と呟かれる
湖は、はとしてその手を引っ込めようとするが家康によってしっかり掴まれた手は引っ込めることができない
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