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【イケメン戦国】私と猫と

第23章 大切な人に贈り物を (裏:政宗、家康、光秀、三成)


湯殿から上がれば、女中に信長が呼んでいることを伝えられる
湖は返事をすると、湯で火照った体を冷やさないように温かな羽織を羽織って天主へ急いだ

「失礼します、湖です」
「入れ」

襖を開ければ、そこには信長、秀吉、家康、三成、そして宗久が居た
秀吉が自分の横に来いと招くのでそちらに向かい隣に座ると、すぐに信長が口を開いた

「して…牛の出産まで手伝って手に入れた牛乳…とやら、どうする気だったんだ」

(あ…やっぱり、牛乳の事はバレてるよね)

宗久を見れば、扇で口元を隠し素知らぬ顔だ
湖は一息つくと

「女中の皆さんが、牛乳の噂をしているのを耳にしたんです…それで、それを使って皆さんに甘味を作ろうと思って…」
「なら、こそこそせずともよかろう」

(そうだよね…そうくるよね…仕方ない)

「信長さま…」
「…なんだ」
「私の居たところでは、この時期に大切な人に贈り物をする風習があるんです。相手を喜ばせるのに、内緒で用意して贈るんです…だから、みなさんに秘密にしておきたくって…すみません…」

湖の理由を聞けば秀吉が「じゃあ」と口を挟む

「湖は、俺たちに贈り物をしようと考えて…牛乳とやら探しに行ったのか?」
「…はい。でも、高くて一度は諦めたんです…だけど、雌牛の出産をお手伝いしたら商人の方が無料で譲ってくださるって言ってくれたんですっ出産したばかりなので、もう少し後なんですけどっ」

途中から、興奮したように話し出した湖に秀吉が「わかった、わかった」と苦笑しながら頭を軽く叩く

「だが、その牛乳…飲んだら牛になるって噂がたってるだろう…」
「…面白い、飲んでみよう」
「御館様っ、駄目です!」

(あー…やっぱり、秀吉さんは気にするよね…)

「あの、私、飲んだことあります。だから言えますよ、牛になりません!でも、そのまま飲むとお腹を壊す人もいるんです。なので、プリンを作ろうと思って」
「…ぷりん?…それは、なんですか?」
「えっと、卵と牛乳とお砂糖で作る甘味です…あ…お砂糖…」

三成にプリンの説明をしながら湖は自分で気づく
砂糖はこの時代、高価なものだ
そうそう簡単には使えないし、手にだって入りくい
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