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【イケメン戦国】私と猫と

第23章 大切な人に贈り物を (裏:政宗、家康、光秀、三成)


信長はため息を零した
そして宗久を睨む秀吉と家康に向かって手を上げ、「座れ」と指示した

「どのみち今日は、貴様と湖を会わせる気で居た」

そう言いながら上座へ移動しどかりと座れば、「秀吉、話してやれ」と湖の事について宗久に話を聞かせた
湖と出会った経緯を
そして、鈴と湖の事を
ただし、時を超えたタイムスリップについては触れなかった

「なるほど…では、本能寺で信長様の命を救われた湖様を気に入り、城に姫として住まわせていると…」
「湖は、信長様のお気に入りだ…宗久、手は出すなよ」

秀吉が念を押す
すると宗久は「はい。それであれば…私からは手を出しませんのでご安心ください」と意味深に返すのだ
家康は、深いため息を付く

「なんです?家康様」
「…言っとくけど、湖は無理だよ…」
「…それは…どういう意味で?」

にこりと微笑む宗久に、家康はあからさまに嫌な顔をして見せた

「ですが、すごく興味深い姫様です。お会いできて光栄です」
「…会うかどうかは湖次第だ」

秀吉は先ほどから眉間の皺を寄せたままだ

「秀吉様、あれは事故です。まさか猫が人になるなど…誰が考えましょうか…ですが、あのような女子は…」
「宗久…忘れるな。あれは俺のものだ」
「失礼いたしました」

宗久が頭を下げると、隣の部屋が開く

「信長様」

三成と共にその場に入ってきたのは、あかね色の着物を着た湖だ
気まずそうに頬を染め、だがその場に座ると宗久に向かって頭を下げる

「…先日、珍しい薬草をわけていただきありがとうございました…それと、先ほどは失礼いたしました」

リリン、チリリリリン…

先ほどと同じ鈴の音
畳に付くさらさらと落ちる髪は、手を伸ばし触れたくなる

「こちらこそ、申し訳ありません。姫様が大変お綺麗で…」

いつも女子達に言うのと同じように口を紡ごうとすれば、湖は真っ赤になって三成の後ろに隠れてしまう

(おやおや…これは…)

「湖様…大丈夫ですか…?」

(やっぱりむりーーーっ、知らない人に…)

思えば、信長達との出会いも似たような物だった
信長、秀吉、政宗、家康、そして…謙信、信玄、幸村との出会いは素っ裸だった
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