第5章 歌声 (裏:政宗、家康、信長)
「っ、あのっ!何をすればいいでしょうかっ」
(断ることを知らんのは、生きていく上で不便この上ないのに…貴様は、いつだって素直に従う…)
「待て…今、雲が流れている…そろそろ」
そう言った際、月が雲から顔を出し月明かりで二人の表情がよく見えるようになった
「良し。いいだろう…」
「…信長様?」
満足そうな信長と、不安な表情の湖
「湖、ここでその羽織を脱いで見せろ」
「え…」
(理解できんか)
「貴様の素肌をこの場で見せろ、と言った」
「むっ、無理です!」
暗闇でも解る程、真っ赤になって羽織を握りしめる湖に
「先ほど、貴様は何でもすると言っただろう」
そう無表情で言えば、湖は涙を浮かべながらも目はそらさずにいた
「でもっ…!」
「…この世の先の人がどう変わるのか見てみたい。貴様は、500年先から来たのだろう?確かに背格好はこの世の女子と違い、高く…興味がある。羽織を脱いで見せてみろ」
「た、たいして変わりませんっ」
「何でもすると言ったのは貴様だ」
(理由はどうでも良い。何度か素肌を見てはいるが、こやつの肌は陶器のようだ…何度見ても飽きはしない。いい暇つぶしになる)
俯く湖の手が小さく震えているのが解る
「…は…い」
しばらくの沈黙ののち、細い声の返事が聞えた
そして、するりと羽織を肩から外し腰に落とした
胸から上が赤く染まっているのは、月明かり良く解る
「湖」
名前を呼ぶと、湖はビクリと揺れ信長から顔をそらし、恐る恐る腰にある羽織から手を外した
「っ、い…いかがですか…っ」
表情は首を反らされ見えないが、声が震えていることから容易に察すことはできる
「その手が邪魔だ」
隠したい部分を必死に覆う手を外せと言ったが、震えるばかりで手が外れない
月明かりに照らされたその姿は、やはり陶器のような白さが際立つ
体つきは腰の位置が少々高く足が長い
無駄な肉はつかず、胸は小ぶりだがその形は綺麗だった
信長は、すっと立ちあがり湖の周りを一周すると
扇で湖の胸の下をトンと、触った
「胸の下にある線の跡はなんだ?」
「え…」
はっとしたように、扇を見ればおそらくブラジャーの跡を指している