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【イケメン戦国】私と猫と

第22章 心から


びくんと背筋を伸ばせば湖の目がぱっちりと開いた

「ふふ…起きられましたね?冬の水は冷たいですから、目覚ましに丁度良いです」

そう笑いながら、手拭きを避けた

(あ)

気がつけば、着替えも終え髪も結い終わって準備万端自分の姿を鏡で見て湖は…

(また、やっちゃった)

と、少し頬を染める

「今朝は、いつもよりは温かいですよ」




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時はさかのぼり…湖が目覚める前日の事

「どうだ?」
「湖の容態なら安定しています。熱は下がってきましたし、手足の震えは収まってますから…」

安堵したようなため息が家康から零れた
あの夜、連れ帰った湖の容態は最悪だった
直接毒を針で刺され、毒の回りが早く、解毒剤を飲ませても容態が改善したようには見えなかった
そもそも持ち帰った解毒剤の効果さえ疑わしい
自分が調合したものでは無いから不信感もあった
あの日から丸二日
今朝になってようやく湖の容態が回復してきたのだ
家康は湖に付きっきりの状態で仕事を済ませていた

(胸の傷は残らない…足の腫れも時間を掛ければ…)

「毒は…残るのか」

日が落ち始め薄暗くなった部屋の中で、家康と信長が湖をはさむように話をしていた

「…毒の量が前とは違うから…起きてみないと解りません」
「そうか…家康、お前も休め」
「……わかりました」

二日ここで湖の容態を見ていた
誰からに任せても、何か変化があった際に対応出来ないと判断したから
だが、もう容態は安定している
女中に任せても問題は無い

すっと信長が立ち上がると、家康の首元の着物を掴んだ

「っ、な…」
「貴様、そのまま立ち上がらんつもりだろう…」

上から家康を見下ろしながら信長はそのまま引きづろうとする

「やめてくださいっ、一緒に出ます…」

その手を払うと、家康は襟元を整えながら立つ
そして深いため息を零しながら部屋を出て行った

「信長様」

出れば、そこには光秀が待っている

「…報告を」
「解った。貴様も来るか?」
「…行きます」

天主まで行けば、そこには秀吉の姿もある

「先に失礼しておりました」

その場に四人が座ると、女中が灯を持て部屋を照らしていった

「大山の件ですが…」
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