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【イケメン戦国】私と猫と

第21章 一線を越えた男


大山は、そう言いながら椅子から立ち上がると湖の近くまでやってくる
さほど身長の高くない大山と湖の目線は同じくらいだ

「庄内屋を始末できなかった浪人には罰を与えた。こいつらの命を繋ぐ餌として・・・胸に傷を負わせて犬の中に放り込めば、酷い悲鳴を上げて食われていったよ。高揚感も沸かなかった・・・遺体は邪魔だし、川に捨てたんだけど・・・あれ、見つかってしまったようだねぇ・・・」

首に手を当てられその手が下がっていく
湖は触れられている部分が、ぞわぞわと虫が這っているように感じ「ひ・・」と小さな悲鳴を上げた
そして襟元に伸びた男の手が着物を引く

「っ・・・や・・っ!!!」

ビッ・・・

着物の割かれる音と犬の激しい吠え声
湖は恐ろしくなって頭を振った

(いやだっ・・っ!!)

「あれから、こいつらも空腹だ・・・今日は、存分に食わせてやれる」

そのゆがんだ男の顔を見た湖は、氷の海にでも投げ込まれたように身体が冷たくなるのを感じた

「わ・・・わた、・・しの死に・・なんの意味が・・・」
「ありますよ。私の満足を満たしてくれる・・・そして、姫様は私の記憶を信長に残してくれるんですよ・・・光栄ですねぇ・・・あの信長の思い出の一部になれるなんて・・・」
「っ・・・信長さまは、縛られない!誰が死んでも前を向いて進む人だよ!!」
「・・・だったら?」

止まっていた手が、強い力で湖の着物を引き裂いた

びっ、びりっ・・ビッ・・

「いっ・・っ!!」

ばさっ・・・

石の上に、割かれた着物が落とされた

「おや・・・姫様、良い身体してますね・・・信長様のお気に入りだけありますねぇ」

着崩れた着物
合わせを大きく開かれ、一部がちぎれ落ちた
大山は「これじゃ、食いづらいか・・・」と言い始め、帯に手をかけ外していく
だが、湖は恐ろしくて声が出せずに居た
襦袢姿になった湖の首元を押さえつけたまま大山は小刀を取り出す

(・・・っ怖い・・・)

刃を舐め、それを見せつけるようにする男の顔
湖の身体はカタカタとひどく震え始める

「可愛そうな姫様だねぇ。ただの町娘なら殺されずに済んだのに・・・」

そう言い胸元を更にぐいっと開く

「い、いやっ・・・!!」
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