第5章 歌声 (裏:政宗、家康、信長)
「俺は今、お前を押し倒して手ごめにするんだ」
そうきっぱり言うと、首や少し除く胸元まで真っ赤にし頭を振った
「そ…そんな」
寄せられただけの羽織の前を開けると、透明感のある白い肌が出てくる
(何度目だ…この肌を見るのは…)
何度見ても、湖の肌は綺麗だと思った
「こんな間近で見るのは初めてだな」
嫌々と首を振って、太ももをぎゅっと合わせた湖は擦れた声で「見ないで」と言った
「裸で女が目の前に現れたら、大概の男はこうしたくなる」
「…嘘っ」
「嘘じゃない、手を出さなくとも頭の中じゃお前を抱いてる」
恐怖の色がうかがえる
「だから、お前は常に気をつけなきゃならない」
「で、でも…私の体なんか見たって…」
(…こいつは、本当に自覚が無さ過ぎだ)
「お前は、綺麗だ。俺が知ってる女の誰よりも綺麗だ」
「っ…」
「その髪も、目も…体の線も、肌も…この香りも…」
髪に顔を近づけると、湖はぎゅっと目をつぶる
(花のような匂い…男を誘う匂いだ…化粧(けわい)の香りではない、こいつ自身の香り)
「や…やめて…まさむね…ぇ…」
か細い声がし、横目で見ると
涙ぐんで赤くなった湖が震えながら懇願してた
ぞわっと、まるでいい獲物を目の前にした感覚
「…駄目だ…それじゃ煽ってるだけだ…」
(食いてぇ…)
パクリと耳をかじると
「っ……」
閉じた目から大粒の涙が1つ流れる
それを舌で舐めとる
(まずい…止まらなくなりそうだ)
顔横についていた手を体の線をなぞるように手を這わせると、ピクリと反応する
「…湖、抵抗しろ…」
「お…お願い、やめて…」
ちらりと横目で見られ、自分の心臓が少し跳ねるのを感じた
「っ…それは、抵抗にならない…」
顔を正面に向けさせ、唇を合わせる
最初は固く閉じていた唇も、時間をかけて徐々に緩んでくると歯茎に舌をなぞらせ湖の舌を絡めると、甘い吐息に変わってくる
「っ…あ…んん…」
(…旨い…この匂いにも酔いそうだ…)
「や…め……ふぅっ」
言葉を遮り深く口づけを落とせば、湖の体は反応を示す
「ま…さむ…ね…っふ、んん…」
(…堪らなねぇ…)