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【イケメン戦国】私と猫と

第21章 一線を越えた男


「最初はね。浪人の国の大名に毒飴を食わせた・・・最初の毒の配分は幻覚作用が強くてね、その内勝手に自害した。私は見られなかったんだよ?期待してたのに、知らないところで死んでくれて・・・まったく・・・高価な飴の金を無駄にしたんだ」

はぁーとわざとらしいため息の後、男は話を続けた

「だから、手っ取り早く気持ちを切り替えた。この国の大名の死が見られなかったんだ。じゃあ、隣の国に行こうってね・・・」
「・・・そんな・・・そんな理由で・・・?」
「簡単でしたよぉ、あんな高価な飴を商売にしてたんだ。町で露店を開けば、すぐに武士から声が掛かって大名に会えた。だけど、直ぐには殺せない・・・私が疑われてしまうからね。しばらく時間を掛けたよ・・・面白い案も思いついていたし・・・」

ウゥー、ゥォン、グゥォンッ‼

広い場所に出れば、其処は天井が崩れたのかぽっかりと穴が空きまるで垂直の落とし穴のようだった
上には木々が見えるが、どうやっても登る事はできなさそうだ
そして、犬
円上になったその場所には、均等に縄で縛られ狂ったように吠え続ける犬が6頭
みんながりがりに痩せ、足を痙攣させているものも居る

「さて・・・君の手かせを変えようか」

そう言い大山が湖の手を拘束していた縄を小刀で切った
湖は同時に逃げようとするが、「阿呆だね」という声と同時にちくりと首に痛みを感じた

「っうぁ・・っ・・」

首を押さえて膝を付けば、地に着いていた手に冷たい感触がし身を強ばらせた

(なに・・っ?!)

ぐいっと、乱暴に反対の手を引かれるとそちらにも同様の冷たさ

ガチャッ・・・

湖の視界に入った両腕
その手首に黒くて重い手錠がはめられている

「な・・に・・・・」

今まで隠していた震えが隠せなくなる
この男が何をしようとしているのか・・・悪いことしか浮かばないのだ

「手ぐさりですよ・・・女子が死ぬ様を見るのは初めてなので、しっかり見ておきたいんです。泣くのか、歪むのか・・・どんな表情をするのかねぇ・・・」
「や、・・やめ・・」
「おやおや姫様・・・今更ですか?・・声が震えていますねぇ」
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