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【イケメン戦国】私と猫と

第21章 一線を越えた男


シュッと襖が開けば、次に現れたのは政宗に光秀だ

「こちらからも報告があります」
「・・・いい雰囲気ではなさそうだな」
「まぁな」

秀吉が息をつけば、政宗が答えた

「城下外れの川で遺体が上がった」
「傷をみれば、あの洞窟にあった物と類似します」

政宗の報告に、光秀が付け足す

「獣の噛み跡があったからな・・・昨日の遺体と比較して貰うため、光秀にも同行してもらったんだ。俺は、直接は見ていないからな」
「間違い無いのか」
「大凡間違いないかと・・・胸に浅い切り傷が一本、あとは食われたであろう形跡。さほど時間は経ってないかと」

光秀の話を聞き、家康が口を開く

「まさか・・・」
「おそらく生きたまま食われたな・・・その男、古い脇差しがありました。あとこれが・・・」

政宗が出して見せたのは、確かに古い脇差し
それと、見覚えのある柄の和紙

「・・・あの飴か」

信長は、それを一目見ると「なるほどな」と小さく呟いた

「村の付近で殺されたのが野犬駆除を補助した村人、川で見つかったのが元商家の浪人、そして飴売りと同一人物。残りは・・・大山か・・・」
「その大山ですが、付けていた使いの者が城下外れの森の中で見失っています。申し訳ありません」

三成が頭を下げる

「森に入ったのを確認出来ていればいい」

そう言うと信長は懐から手紙を出した

「宗久が、馬酔木ばかりが多々生え犬の鳴き声聞えるという場所を見つけてきた」

ばさりと置かれた手紙には地図が示されている

「どうやら犬を其処に集めているらしいな」
「・・・自分じゃ始末できないから、犬に殺させてるってか・・・」

胸くそ悪いそんな表情で政宗が舌を打つ

「まぁ、全部が全部・・・大山が企てたことでは無いだろうが・・・」
「あとは見つけて事の真相を問いただすまでだな」
「すぐに・・」

「申し訳ありませんっ!失礼します」
「・・・なんだ」

ざわりとした胸騒ぎを抱えつつ信長が返答すれば、家臣の一人が顔を青くし入ってくる

「湖様が・・・っ、先ほど門番の者がこれを・・あと馬の蹄の音がしたと・・・」

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