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【イケメン戦国】私と猫と

第21章 一線を越えた男


「大丈夫だ。お前らは普段からしっかりやってくれてる。特に罰したりなどしないから安心しろ。馬だって大丈夫だと、湖が言ってるだろ?」

そう言い秀吉は彼らを宥めた
馬小屋の柵を元に戻した湖は、秀吉の横にくると摘まみ持っていた馬酔木の花を手渡す

「それより・・これを何処で、こいつが食べたのか・・・」
「歩行・・・朝、何処を歩かせたの?」

湖は、彼らに問うとそのうちの一人が城門を出て城下外れの道を歩いたと言う
その間、変化はなかったと

「なら・・・きっと戻ってきてからだね・・・城門付近から厩舎まで」
「城下から安土城に入る道だぞ・・・毒草は生えていないはずだ」
「・・・誰かが、持ってきてた?」

そう秀吉を見上げるように言えば、彼は眉を潜め「安土城に行くぞ」と湖の手を引き始める

「っ湖様!申し訳ありませんでした!」
「あ。気にしないでくださいねっ!止められたのに、出したの私なんです!秀吉さんにも信長さまにも説明しておきますから」

湖は、秀吉に手を引かれながらも彼らの方を向くとぶんぶんと大きく手を振る
「お前は・・・」と秀吉が深く息をつくのに首を縮めながら「すみません」と謝って



天主に入れば、其処には家康と信長が居た

「・・・なにかあった顔・・・湖、何やったの?」
「ひどいよ、家康。私は何も」

「していない」と言おうとしたのを後ろから伸びてきた手で口を塞がれ、大きなため息を付かれた

「しただろ」

秀吉は、湖が黙ったのを確認しその場に腰を下ろす
また湖も同様腰を下ろした

「して、何があった?」

信長が、持っていた書簡を置くと秀吉に尋ねる

「厩舎の馬が、馬酔木の花を食べてました」
「馬酔木・・・?この付近の毒草はすべて抜いているはずです」

秀吉の返答に、家康が眉を潜めて口を挟めば、湖が「でも、食べてたの」とはっきり言った

「どうして言い切れる」

信長の問いに、湖は一つずつ説明していく

「厩舎の一頭の様子が、おかしかったんです。耳を落ち着き無く動かして、柵から出せばふらつく。それで、柵の中を見てみてたら・・・」
「湖が、これを見つけました」

秀吉の手の平にあるのは、馬酔木の花だ
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